AIで生成された画像素材は、果たして”著作物”として認められるのか? この問いは、DLsiteやFANZAといったプラットフォームでのAI素材販売に取り組むうえで、非常に重要なテーマです。
この記事では、日本の著作権法に基づき、「AI生成物が著作物と認められるために必要な要件」と、それをNoxia素材でどのように満たすかを具体的に解説します。
■ 著作物と認められるための3つの条件(日本法)
著作権法では、以下の3点を満たす必要があります:
- 人が作成したこと(AI単体では不可)
- 思想または感情が表現されていること
- 創作性があること(ありふれた表現では不可)
AIがボタン1つで生成した画像は、上記のうち(1)と(3)を満たさない可能性が高く、著作物とは言えません。
■ では、どこからが「創作性」なのか?
実際に著作物と認められるには、単なる自動生成を超えて、人が独自の判断で表現に介入していることが必要です。
☑・創作性が認められにくい例:
- 単にプロンプトを入力しただけ
- トリミングや明度変更など軽微な編集のみ
- 不採用カットを選別しただけ
☑・創作性が認められやすい例:
- 構図の設計や調整(例:キャラ配置を考えた空間構成)
- 合成・描き足し・削除による新たな表現の追加
- 色調補正や光源演出で作品全体の雰囲気を設計
- 複数画像からの選定と再構成による世界観形成
これらは単なる技術操作ではなく、人の表現判断が反映されているため、著作物性が認められやすくなります。
■ Noxia素材が満たしている要件
Noxia Studioの背景素材は、以下のような工程を経て制作されています:
- プロンプト設計、構図の指示、色彩演出などを事前にプランニング
- ComfyUIを活用した出力後、選別・検品・レタッチを実施
- 不自然な部分の削除や描き足しを含む構図修正
- 明度や色温度、遠近感の調整を行い、世界観を強化
これらの工程により、AIによる単なる出力ではなく、人の創作性が反映された作品として仕上げています。
■ readmeや説明文で明示すべき文言例
本素材は、AI技術を活用して制作されていますが、
構図設計・色彩調整・不要物の除去・レイヤー編集など、
複数の創作的判断とレタッチを経た上で完成されたものです。
そのため、著作物としての創作性を有しています。
このような文言をreadmeや販売ページに記載することで、審査担当者や利用者にとって素材の信頼性が高まります。
■ まとめ
判断基準 | Noxiaの対応 |
---|---|
AI単体の出力 | ✖・著作物ではない |
人の判断・加工あり | ✔・条件次第で著作物と主張できる |
最低限必要な介在 | ✔・構図設計+明度調整など複数加工 |
Noxiaは今後も、「安心して使えるAI素材」をコンセプトに、創作性の担保と法的な配慮を両立させた背景素材の制作に取り組んでまいります。
そこで次回の記事では、より明確に“人の創作性が反映された作品”として認められるためには、どのような工夫や工程が必要なのかを、具体的な制作例とあわせて詳しく解説していきます。
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